◆S46.12. 8 長崎地裁 昭和43(行ウ)6 課税処分取消請求事件(5)◇
が受領している。
以上の各事実を綜合すると、「信丸」、「第二信丸」は「第一信丸」とともに当初から原告の所有であつたのであり、原告はこれらの船舶を使用し、自己の事業として旅客定期航路事業を継続して営んできたものであつて、所得の全部が原告に帰属すべきものとした本件処分に何ら違法はない。
二、原告の昭和四一年度分の事業所得について、被告のなした決定処分の内訳は次のとおりである。
1、運賃収入 一、七〇二、二〇〇円
右は本件航路の営業廃止に伴つて長崎県長崎港開発総局の算定した航路補償金算定調書に基いて算定した金額であり、「第一信丸」、「第二信丸」、「信丸」の三隻分の合計収入金額である。
2、一般経費 五六四、七四〇円
金額の把握方法については運賃収入の場合に同じである。
3、雑収入 二、二七四、九〇〇円
右は本件航路の廃止に伴つて、長崎県が原告に支払つた航路営業補償金を事業所得の収入金と認めて雑収入に計上したものである。事業所得の収入金と認めた根拠は、税務計算上は「営業の全部もしくは一部の転換または廃止により受けるいわゆる営業補償金のうち、営業権の対価と認められる部分以外の部分」は事業所得により生じた収入金と解すべきであり、これは所得税法第二七条第一項の趣旨を敷衍した正当な考え方である。本件航路補償金については長崎港開発総局の算定調書によれば営業権の対価相当分は含まれていないから、これを事業所得の収入金と判断したものである。
よつて、右運賃収入と雑収入の合計から一般経費を控除した三、四一二、三五〇円が原告の昭和四一年度分の事業所得と算定したものである。
三、原告は、昭和四一年度分所得税の確定申告を法定期限までになさず、被告の調査にも何ら協力せず、帳簿書類の提出もしなかつたので、被告が己むを得ず原告が公有水面の埋立に伴い受領する補償金算定の関係で長崎県長崎開発総局に提出していた資料に基き原告の同年度分の所得の調査を行い、前項のとおり運賃収入、一般経費および雑収入の金額を把握して所得金額を計算したものであつて、本件決定手続に何ら違法な点はない。
第三、証拠(省略)
理 由
一、被告が原告


