◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(78)◇
におかれ、ついにはその環境の破壊にまで至る。
また、争議行為によつて、児童・生徒の教師に対する信頼感は薄れ、一方、教師と父兄から放置された児童・生徒の間では、教育上好ましくない遊戯、たとえば、ストごつこが行なわれたりするようになる。また、集団の力によれば何事をも達成しうるような風潮が児童・生徒の間に生ずる等、目に見えない弊害を与えるのである。
平素教壇に立つて、法秩序・社会秩序の守られるべきゆえんを説く教員が、みずからこれを乱すような行為に出ることは、その児童・生徒の精神面に及ぼす影響において、まことに計り知れないものがある。
(4) 授業カツトによる影響
児童・生徒は、学校においては、授業時間中における教師の指導のほか、休み時間や放課後等においても、学校の施設、設備の利用(たとえば、学校図書館・教材図・体育施設等)、教師との接触(たとえば、学習上の問題点の解明や、友人関係とか個人的な悩みの解決のための相談等)などを通して望ましい方向への成長発達を遂げて行くものであるが、それらのうちで、児童・生徒の成長発達にもつとも大きな力をもつものが授業を通しての指導であり、それが学校教育における中核をなすものである。
この授業計画は、学習指導要領の基準に従つて、地域や学校の実態を考慮して定められた各学校における年間の教育課程から作られたものであり、形式的にはいわゆる時間表という形となつて表示される。
かように、年間の授業計画から割り出された日々の教育活動が、校長の責任と管理のもとに割り当てられた授業時間表に従い、かつ、その割り当てられた教師により遂行されることが、正常な業務の運営状態なのであつて、争議行為による授業カツトは、その常態を阻害したものと判断されなければならない。
したがつて、授業面への影響を考えると、合級または合併授業によつてはいつせい授業の弊害があり(学級は単なる偶然的集団であつてはならない。永続的な一つのまとまりのある集団でなければならない。)、自習においては指導の低下があり、その他争議行為による学校ないし学級経営機能の必然的停滞等を免れることはできない。そして、学校機能の能率低下もしくは機能まひをもたらすに至るのである。


