◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(72)◇
たは事情のもとにおいて、職員の給与・勤務時間その他の勤務条件に関し、地方公共団体の当局と交渉することができ、なお、これに付帯して社交的または厚生的活動を含む適法な目的のため交渉することを妨げないとされているが、これらの交渉は、当該地方公共団体の当局と団体協約を締結する権利を含まず、ただ法令・条例・地方公共団体の規則および地方公共団体の機関の定める規程に抵触しないかぎりにおいて、書面による協定を結ぶことができるにすぎないものである。地公法第五五条第一項にいう交渉は、労組法において認められた団体交渉権ではない。
4 なお、地方公務員の地方公共団体に対する勤務関係は公法関係であつて、したがつて、この関係に基づく訴訟は、行政訴訟に属し、民事訴訟の仮処分の認められていないことはいうまでもないところであるが、この点からしても、地方公務員は、他の一般労働者とは、本質的にその身分を異にするものであり、憲法第二八条の保障につき、地公法上諸種の制限を受けるのを当然とされるものであるとともに、その職務についても地公法上の特別の義務が課せられているものである。
5 地方公務員の行なう争議行為について、その違法性とその責任を論ずる場合に、もつぱら憲法第二八条の保障する団体行動権を主とする観点にのみ立ち、ことさら地方公務員の職務の公共性を軽視して争議権を強調し、争議行為の正当性の判断の基礎とすることは、公共の福祉についての憲法第一三条を無視する不当な解釈である。争議行為をした者がたまたま刑事上の免責を受けることを相当とされる場合であつても、刑事以外の法律上もすべて正当なものとして免責を受くべきものと即断することは許されない。けだし、刑事上の犯罪の成否いかんと刑事法以外の法律上の責任の有無とは、まつたく別個の法域に属する事柄であり、それぞれ目的を異にし、異なつた原理の支配を受けるべきものであるからである。
都教組判決も、「地方公務員のする争議行為については、それが、違法な行為である場合に、公務員としての義務違反を理由として当該職員を懲戒処分の対象とし、また、その職員に民事上の責任を負わせることは、もとよりありうべきところであるが、争議行為をしたこと、そのことを理由として刑事制裁を


