◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(70)◇
団体に対して公務員の福利厚生について適切な計画実施をなすべきことを要求する等、種々の角度から地方公務員の勤務条件を適正に維持するための施策を講じているのであつて、公共の福祉の要請によつて地方公務員の労働基本権の一部を制限することがあつても、地方公務員の生存権をとくに害することのないよう配慮している。
5 地公法第三七条第一項は、その法文に即してみれば、明らかにすべての地方公務員のすべての争議行為を禁止しているのであるが、叙上の地方公務員の職務の本質と、地方公務員の生存権を保護する一連の立法措置を勘案するときは、地方公務員の労働基本権の一部である争議権を全面的に禁止するとしても、公共の福祉の要請上なんら憲法第二八条に違反するものではない。
したがつて、地公法第三七条第一項の規定は、その法文の表現のとおり、すべての地方公務員のすべての争議行為を禁止したものと解すべきであり、このように解したからといつて憲法第二八条に違反しないものである。
(二) そうでないとしても、地公法第三七条第一項は、憲法第二八条に違反しない。
都教組判決は、「地公法は地方公務員の争議行為を一般的に禁止し………ているのであるが、これらの規定についても、その元来の狙いを洞察し労働基本権を尊重し保障している憲法の趣旨と調和しうるように解釈するときは、これらの規定の表現にかかわらず、禁止されるべき争議行為の種類や態様についても、………おのずから合理的な限界の存することが承認されるはずである。かように、一見、一切の争議行為を禁止し………ているように見える地公法の前示各規定も、右のような合理的な解釈によつて、規制の限界が認められるのであるから、その規定の表現のみをみて、直ちにこれを違憲無効の規定であるとする所論主張は採用することができない。」と判示して、地公法第三七条第一項につき、合理的解釈による限界が認められるから憲法に違反しないとした。したがつて、地公法第三七条第一項によつて禁止せられる争議行為の範囲をある程度限定して解釈するときは、少なくともこれが憲法第二八条に違反するものでないことは明白である。
二 原告らの主張二(教員の争議行為は地公法第三七条第一項の禁止する争議行為に該


