◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(50)◇
て問題はあるものの、スト規制法は、電気については、その供給が公益事業の中でももつとも高度の公共性を有する事業であるがゆえに、その供給の停止のみを、石炭については、保安に関する労務不提供が人命および炭鉱の破壊にかかわるときに、それぞれ禁止し、船員法は、人命の安全と船舶の危険(ひいては人命の安全にかかわる。)にかかわる特定の争議行為のみを禁止している。いずれも、特定の行為の禁止にとどまり、しかも、電気の供給の停止を除いては、人命の安全を中心的考慮において規定されているのである。このような禁止規定と教員の争議行為の全面禁止とでは、比較することもできない質的な差異が存在する。
(3) このように比較してみるならば、教員の争議行為は、仮に制限を許容しうることがあるとしても、全面・一律に禁止することが必要・最小限度の規制にとどまり、合理的であるとする根拠を見い出すことは、とうていできない。少なくとも、争議行為の通常の態様における教員の争議行為を禁止することが合理的である、とする論拠はまつたくない。
8 結論
第一に、教員の争議行為は、例外的に長期にわたる場合に制限することはありえても、全面・一律に禁止することは許されない。
第二に、したがつて、地公法の争議行為禁止条項は少なくとも教員について適用することは違憲であり、違憲判断を回避するために、右条項を教員に適用すべきでない。
三 本件争議行為は、地公法第三七条第一項の禁止する争議行為ではない。
(一) 本件争議行為の目的態様
本件争議行為は、勤評規則の制定・実施に反対する目的で、都教組執行委員長の発した指令に従つて、組合員約三〇、〇〇〇名が昭和三三年四月二三日有給休暇届を提出して全一日の職務を放棄し、措置要求大会に参加したという事案である。
なお、右有給休暇届の提出は、本件争議行為の前日である昭和三三年四月二二日、都教組の下部機関たる分会の役員(分会長または分会委員)が各学校ごとに組合員の休暇届を一括して取りまとめたうえ、学校長に提出するという形でなされたのである。
(二) 本件争議行為の授業に対する影響
1 教育は、長期的・計画的に遂行されるものであり、具体的には、学年


