◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(38)◇
いうあり方は、個別制限の方法によつてはとうていまかなえない場合にのみ限られるべきであり、原則として許されないものと考えるべきである。
(2) わが労調法上の争議制限の方法
(@) 争議予告
労調法第八条第一項の定める公益事業は、国民の日常生活に欠くことのできないものに限られている。ところが、このような公益事業についてすら、労調法は、一〇日前の争議予告を義務づけるのみで、争議行為の実施については基本的にこれを制限していない。
(A) 緊急調整
労調法第三五条の二は緊急調整の制度を設け、内閣総理大臣は、「事件が公益事業に関するものであるため、又はその規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために、争議行為により当該業務が停止されるときは国民経済の運行を著しく阻害し、又は国民の日常生活を著しく危くする虞があると認める事件について、その虞が現実に存するときに限り」、中央労働委員会の意見を聞いて、緊急調整の決定をすることができ、この場合には、中央労働委員会は争議解決のための努力を払わなければならず、当事者も五〇日間争議行為をすることができないものとされる。
このように、公益事業の争議行為であつても、異例の場合にのみ、きわめて厳格な要件のもとに、一定の期間に限り禁止されるにとどまる。しかも、この禁止は、禁止自体が目的ではなく、調整するための手段なのである。そして、現実には、緊急調整は一度も発動されたことがない。
(B) 労調法の立場
以上のように、労調法は、公益事業の範囲を日常不可欠な業務にきびしく限定し、その争議行為を予告にかからしめているほかは原則的に解放していることにおいて、争議権尊重の理念をそれなりに貫いているのである。公務員法・公労法と比較するとき、その争議権規制の姿勢において、本質的な差異を見い出すことができる。
以上のように、労調法は、個別・具体的規制を争議権規制の方式として採用し、争議権規制の正しいあり方にのつとつている。
4 争議行為の禁止が許される場合
(1) 争議行為の禁止は原則として許されない。
労調法の緊急調整制度は、争議行為を、事態の具体的な状況に応じて、個


