◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(36)◇
、住民の生命と福祉をまもる必要―は、また、公務あるいはその他の重要業務におけるストライキを禁止する規定が一九五七年条約に抵触しないと考える基礎になつている。多くの国では、この点に関して定められている禁止は、たとえば、それが仕事の性質いかんにかかわらず公職にあるすべての者に適用される場合(注4)、または、厳密な意味における重要業務のほかに、普通の状況下においてその中断が住民の生命や福祉を必ずしも危険にさらさないような産業やサービスを含む場合には、条約に合致しているというには、その範囲があまりにも一般的にすぎるように思われる。ストライキが重要業務で禁止されているあるケースでは、争議解決の代償手続が必ずしも与えられているようにはみえない。
注4 たとえば、日本・国公法第九八条・第一一〇条第一七号、地公法第三七条・第六一条(ドライヤー報告第二、一三四〜二、一三九項参照)。」(同委員会報告第一二六項)
地方公務員のストライキの一般的禁止条項たる地公法第三七条が、同法第六一条第四号と合わせて、強制労働禁止条約(第一〇五号。以下第一〇五号条約という。)に抵触するとされたこと、しかも、同総会で採択された条約勧告適用委員会の一般報告で、労働者側委員の「ストライキ禁止が民事罰あるいは行政罰によつて強制される場合も、そのような刑罰は間接的労働強制になりうる。」という意見に対して、使用者側委員も、「どんな形にせよ強制労働にはきつぱり反対」(同報告第五五項、第五六項)しているのであつて、ストライキに対する民事罰と行政罰も強制労働の側面から禁止されていることに注目する必要がある。
(C) むすび
わが国は、第二次世界大戦後ILOに加盟を認められ、ILO諸条約やわが国に対する勧告の遵守義務を負担することとなつた。さきにも述べたように、ILOの基準は、国際的にみて最低限度のものであり、わが国の憲法解釈や労働基本権の解釈に通用するものであることはいうまでもない。
そのような国際的観点からみて、地公法第三七条の不合理性は明白であり、また、教師のストライキ権禁止は不合理である。
3 争議権規制の手段・方法
ある職務について争議権の規制されるべきことが認められると


