昭和46年行政訴訟…懲戒処分取消請求事件(27)


◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(27)◇

◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(27)◇

る制限の原理とは別に、国家固有の権能である司法・行政については、「国政の停廃」をもたらすとの観点から、争議権は制限されるべきであるとする見解があるが、この見解は誤つている。すなわち、国政に関する職務の停廃をもたらす場合においても、争議権の制限が許されるか否かは、国民生活に重大な障害をもたらすか否かの観点からのみ判断されるべきであり、それをもつて十分なのである。最判昭和四四年四月二日刑集二三巻五号六八五頁(以下全司法判決という。)が、裁判所職員の職務について、「裁判所は、この国家の固有の権能に基づき、国民の権利と自由を擁護するとともに、国家社会の秩序を維持することをその使命とするものであることにかんがみると、このような裁判所の行なう裁判事務に従事する職員の職務は、一般的に、公共性の強いものであり、その職務の停廃は、その使命の達成を妨げ、ひいては、国民生活に重大な障害をもたらすおそれがある。」と述べているのも、その立場からである。すなわち、右判決も、裁判所職員の職務は国民の権利と自由とに重大なかかわり合いがあるから、そのような職務の停廃は国民生活に重大な障害をもたらすといつているのであつて、国政に関するから、そのことゆえをもつて、ただちに争議権を制限できるとはしていないのである。
(3) わが国の実定法と争議権の制限・禁止
以上述べてきた見解は、わが国の戦後の争議権規制立法において、基本的に承認されてきたところである。もとより、争議権規制立法といつても、争議権を全面的に禁止している公務員法と公共企業体等労働関係法(以下公労法という。)とは、その合理性のまつたく存在しないことについて、基本的に批判の対象としているものであるから、争議権規制立法の体系の検討に当たつては、その対象から除外しなければならない。また、以下検討する争議権規制立法は、主として、民間産業の労働者を対象とするものであるが、中郵判決および都教組判決によれば、争議権が尊重されるべき点においては官・民の区別はなく、争議権の制限が許されるか否かは、「国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な障害をもたらすおそれ」があるか否かという要件によつてのみ判断されるべきものである以上、以下の批判・検討に支障をきた



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    2011年10月:更新しました。やっと涼しい秋となりました。