◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(57)◇
勤務評定は勤務条件とは関係がないとする説もあるが、これは誤りである。すなわち、労基法施行規則第五条は、賃金・昇給等の事項(第三号)および表彰・制裁に関する事項(第九号)を明示すべき労働条件として例示している。そして、同条の趣旨からすれば、勤務評定は、労働者の賃金昇給・昇格・表彰・制裁などの労働条件決定の資料となるものであるから、明示すべき労働条件の一つと解すべきである。しかして、地公法第四六条の勤務条件を右労基法の労働条件より狭く解する根拠も、また、その必要もない。
(2) 勤務評定と管理運営事項
また、勤務評定は管理運営事項であるから、団体交渉や争議行為の対象とならないという考え方があるが、これは誤りである。管理運営事項であつても、それが労働条件にかかわるものであれば団体交渉の対象となりうるし、また、争議行為の対象ともなりうるものである。ドライヤー報告も、「政府の事務の管理と運営に影響する事項は、交渉範囲から除外されるべきであると規定されている。この規定の適用は、現実に深刻な困難を惹起するかも知れない。………しかし、管理運営と雇用条件の双方に影響する問題が多くあることを認識しなければならない。………この性質の問題は、相互の誠意と信頼という雰囲気のなかで行なわれる団体交渉のわく外の問題とみなされるべきではない。」(第二、二二九項)と述べ、判例も、公労法第八条の管理運営事項とは公共企業体の管理運営それ自体のみに関する事項のみをさすとし、ひろく職員の待遇に関する事項は団体交渉の対象となるとしている。
勤務評定は、被告の管理運営事項にかかる側面を有するとはいえ、教員の勤務条件に重要なかかわりをもつものである。そうとすれば、
これを団体交渉の対象とし、あるいは、争議行為の目的とすることも、許されて当然である。
(3) 勤務評定のねらい
勤務評定は、教員の勤務条件に関する事項であり、被告は、勤務評定を通じて教員に対する差別待遇−労働条件の改悪を強行しようとしたものである。したがつて、これが組合活動の本来の対象となりうるものであることは論をまたないが、被告・文部省が勤務評定制度の実施によつてねらつたものは、単に教員の勤務条件を悪化させる


