昭和46年行政訴訟…懲戒処分取消請求事件(56)


◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(56)◇

◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(56)◇

むしろ、争議行為は、憲法上の権利として、公務員法秩序の中でも、原則として承認された行為として考えるべきである。さらに、争議権の本質や保障の趣旨から、その制限・禁止およびこれが違反に対する制裁は、合理性の認められる必要・最小限度のものでなければならないことを考えると、仮に争議行為禁止違反があつた場合でも、それが直ちに処分に結びつくものと解すべきでもないことになる。こうしてみると、懲戒処分ができる場合は、その違反の程度が重い場合に限られてくる。そして、違反の程度が重い場合の処分も、必要・最小限度にとどめるべきことはもちろん、前述した懲戒処分の趣旨に反してなすべきではない。
そして、懲戒権の逸脱・濫用があつたかどうかは、具体的には、当該争議行為の目的・動機・手段・方法・結果、相手方の態度、当該処分によつてこうむる各種不利益等を考慮して決定すべきである。
(三) 本件懲戒処分の違法性
1 本件争議行為の目的について
本件懲戒処分の処分事由とされている原告らの行動は、被告が昭和三三年四月二三日一方的に教員に対する勤評規則を制定・実施することに反対し、これを撤回させる目的でなされたものである。
(1) 勤務評定と教員の勤務条件
教員に対する勤務評定は、昭和三一年愛媛県において昇給・昇格の差別を行なう手段として実施したのがはじまりで、その後、昭和三二年一二月二〇日全国都道府県教育長協議会が勤務評定の実施方針についての全国試案を取りまとめ、昭和三三年四月から全国的に実施されるに至つたものである。
勤務評定は、教育労働者としての教員の勤務条件に深いかかわりをもつており、その一方的実施は、教員の勤務条件に深刻な影響を与えるものであつて、これに反対することは、労働組合活動としてきわめてあたりまえのことである。すなわち、勤務評定は、「人事の公正な基礎の一つとするために、職員の執務について勤務成績を評定し、これを記録することをいう。」(人事院規則一〇−二第一条)とされ、昇任・降任・転任等の人事異動、昇給・表彰などの待遇、成績不良な者の発見と指導・矯正・不適者の排除などの目的に行なわれるのであつて、教員の勤務条件と密接なかかわり合いを有しているのである。



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    2011年10月:更新しました。やっと涼しい秋となりました。