昭和46年行政訴訟…懲戒処分取消請求事件(55)


◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(55)◇

◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(55)◇

二項の意味等を合わせ考えるならば、同条項は、同条第一項違反の争議行為をした者に対し通常解雇をしうる旨規定したものと解する余地はありうるとしても、懲戒処分まで許容したものとはとうてい解されない。
五 本件懲戒処分は、懲戒権の範囲を逸脱し、あるいは、懲戒権を濫用したものである。
(一) はじめに
仮に本件争議行為が地公法第三七条第一項の禁止する争議行為に該当し、これに対し懲戒処分を課すことが許されるとしても、本件争議行為は、懲戒処分に価するほどの違法性がある行為とはいえない。したがつて、本件懲戒処分は、被告に認められた懲戒権の範囲を逸脱し、あるいは、懲戒権を濫用したものとして、違法たるを免れない。
(二) 懲戒権逸脱・濫用の法理
1 行政処分たる懲戒処分は、職員の義務違反に対し、使用者たる国または地方公共団体が公務員関係ないし公務員法の秩序を維持するために行なう制裁である。すなわち、公務員関係に妥当する秩序ないし規律違反たる違法行為に対する制裁としての性質をもつ。したがつて、当該行為が形式的に公務員法に違反する場合であつても、公務員法全体の趣旨・目的からみて、懲戒処分に値する秩序違反としての実質を欠く場合、あるいは、違反の程度が低い場合には、公務員懲戒法上の違法性を欠くものとして、懲戒処分をすることはできない。このような場合、当該懲戒処分は、処分の根拠を欠き、懲戒権の範囲を逸脱したものとして、あるいは、懲戒権を濫用したものとして、違法となるのである。
2 右に述べた懲戒権の逸脱・濫用の法理は、当然のことながら、争議行為禁止違反に対する懲戒処分の場合にも、原則的に当てはまるが、争議行為は憲法第二八条により権利行為として保障されていることにかんがみるならば、一般の懲戒処分の場合とまつたく同一の次元で論ずることはできない。
すなわち、地公法が予定している懲戒処分は、平常の勤務関係を前提として、その中で発生した職務懈怠や職務命令違反に対し規律維持の観点からなされるものである。ところが、争議行為が権利行為であつて、公務員にも原則的に保障された行為であることを考えるならば、争議行為そのものを当然に公務員法秩序をみだす行為と観念すべきではなく、



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    2011年10月:更新しました。やっと涼しい秋となりました。