◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(54)◇
や地方公務員も憲法二八条にいう勤労者にほかならない以上、原則的にはその保障を受けるべきもの」であるから、そうだとすれば、私企業の労働者が争議行為を行なつたことを理由に懲戒処分をなしえないことと公務員の場合とを区別して取り扱うべき根拠はない。
(三) 地公法第三七条第二項の文理解釈ならびに同条項と公労法第一八条との対比
地方公務員の場合には、地公法第三七条第二項によつて懲戒処分を課することも可能であるかのごとく説く見解もないではない。しかし、この見解は誤りである。
1 地公法第三七条第二項の文理解釈
同条項は、すべての任命上または雇用上の権利が主張できなくなるというのではなく、分限上の保障が主張できなくなることを規定したにとどまるものと解されるのである。
2 地公法第三七条第二項と公労法第一八条との対比
さらに、地公法第三七条第二項が懲戒に関する規定でないことは、公労法第一八条の立法の沿革ならびにその文言と対比しても明らかである。
すなわち、昭和三一年法律第一〇八号による改正前の公労法第一八条は、「前条の規定に違反する行為をした職員は、この法律によつて有する一切の権利を失い且つ解雇されるものとする。」とされ、地公法第三七条第二項と同趣旨の規定がおかれていたが、右改正によつて、「この法律によつて有する一切の権利を失い且つ」の部分が削除され、現行どおりの規定となつた。そして、右改正の前後を通じて公労法第一八条の解雇が懲戒処分としての性格をもたないことは、昭和三一年の公労法改正案作成の過程で、同条に解雇だけでなく懲戒処分としての停職・減給・戒告等の処分をもそう入しようという提案があつたが、同条は懲戒の性質をもつ規定ではないということから、それが撤回された経過に照らしても、十分にうかがい知ることができる。
このような公労法第一八条の立法の沿革と解釈に照らしてみるならば、地公法第三七条第二項は、争議行為禁止違反の効果として、公労法第一八条と同様に解雇を予定しているものとみられるのであつて、懲戒処分を規定したものとはとうてい解されない。
(四) 結論
以上のように、争議行為の特殊な団体的性格、懲戒権の本質、地公法第三七条第


