◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(52)◇
四月二三日には生徒・児童が自主的に学習することができるように配慮することを決定し、これを実施するとともに、争議行為後においては、機会あるごとに自主的学習の結果を整理し、高める努力がなされ、もつて年間授業計画の実施に支障のないよう配慮された。
(三) 本件争議行為の評価
本件争議行為の特色は、第一に、単純不作為の形態によるものであり。第二に、一日限りのものであるということである。そして、教育という長期的に行なわれるべき職務の特質およびその柔軟性・弾力性からみて、一日の争議行為による業務の阻害の程度は、事実上存在しないか、存在したとしてもきわめて軽微なものにすぎないことは明白である。また、学校において、しばしば、突発的な行事や事故などによつて、全一日、授業または予定されていた学校行事が行なわれないことのあることなどを合わせ考慮すれば、あえて問題にされるような程度の業務の中断とはいえない。
以上のように、本件争議行為が単純不作為の、しかも、一日という短時日の争議行為であることを総合して評価するならば、これに地公法第三七条第一項を適用すること自体違憲であるか、少なくとも同条項が適用されない場合であると解釈されなければならない。
四 地公法第三七条第一項違反の争議行為に対し、懲戒処分を課すことはできない。
(一) はじめに
仮に本件争議行為が地公法第三七条第一項によつて禁止されたものであるとしても、争議行為の特殊な団体的性格や懲戒権の本質上、禁止違反の争議行為に対して懲戒処分をもつて臨むことは許されない。また、同条第二項の文理解釈ならびに同条項と公労法第一八条との対比においても、地公法第三七条第二項を理由に懲戒処分を課することは違法である。
(二) 争議行為の団体的性格および懲戒権の本質
1 労働組合により争議行為が実施されると、組合員である個々の労働者は、争議期間中、使用者に対する労務提供義務およびこれに伴う諸種の義務を内容とする労働契約上の諸拘束から解放され、使用者の指揮命令関係から離脱することになる。このように、労働組合の統制下に行なわれる集団的・組織的行動に基づき、労働者が使用者の指揮命令関係から離脱することによつて、業務


