◆S46.10.15 東京地裁 昭和33(行)103 懲戒処分取消請求事件(20)◇
経過しないうちに訴えを提起しても、その訴えが却下されないうちに三か月を経過してしまえば、そのかしは治ゆされると解すべきである。ところで、本件については、原告らは、昭和三三年七月二六日東京都人事委員会に対し不利益処分審査請求をしたので、同日から三か月を経過した同年一〇月二七日以降、本件訴えは適法となつたのである。
三 本案前の抗弁三(地公法第三七条第一項により出訴できない)に対し
(一) 地公法第三七条第二項と原告らの主張との関係
地公法第三七条第二項は、「前項の規定に違反する行為をしたもの」に適用がある。ところが、原告らの本件懲戒処分が違法だとする主張のうち、争議行為を禁止する同条第一項は憲法に違反するとの主張、教員の争議行為は右条項の禁止する争議行為に該当しないとの主張および本件争議行為は右条項の禁止する争議行為に該当しないとの主張は、いずれも右条項に違反する行為をしたものではないと主張するものであるから、これらの主張の当否を審理しないで同条第二項を適用することは許されない。また、争議行為禁止違反に対して懲戒処分をすることは許されないとの主張についても、この主張の当否を審理しないで右条項を適用することは許されないであろう。結局、右条項の適用が問題となるのは、懲戒権逸脱・濫用の主張に関してだけである。
(二) 懲戒権を逸脱・濫用した処分について出訴できないか。
地公法第三七条第二項は、すべての権利を主張できなくし、すべての不利益を甘受させる規定ではなく、分限の保障をはずすだけである。そうだとすると、それ以外の実体上の権利はあるのに、それを実現するための手段である争訟を禁止することは不合理であり、できないことである。ことに裁判所に対する出訴の権利を失わせることは、憲法第三二条の裁判を受ける権利の保障に違反することとなるので、とうてい認めるわけにはいかない。
B 本案の抗弁に対し
一 本案の抗弁一について
(一) 本案の抗弁一(一)記載の事実は認める。
(二) 同一(二)記載の事実も認める。
(三) 同一(三)記載の事実中、1ないし19の事実は認める。
20の事実は、話合い打切りの事情および措置要求の手段を


